田楽も鎌倉河岸は地物也

タイトルは江戸時代の川柳。
当時の酒店 豊島屋を詠んだものだそうです。

 

江戸時代、慶長年間(1596~)、江戸城の普請で集まった多くの武士、職人、商人達に、お酒やその肴に田楽を出して繁盛したのが、豊島屋のおこりだそうです。

 

当時、上方から仕入れたお酒を、豊島屋では仕入れ値のままの安値で売り、空いた酒樽を売って利益を得たという、これぞ商人という人だったとか。

 

そしてこの豊島屋の初代が「白酒」の考案者で、ふだんはお酒を飲む機会が少なかった女性たちに、ひな祭りに飲む習わしを広めた人(お店)なのだそうですよ。

 

江戸時代後期に刊行された「江戸名所図会. 巻1」に、

『鎌倉町 豊島屋酒店 白酒を 商ふ 図
例年二月の末 鎌倉町 豊島屋の酒店において 雛祭の白酒を商う
是を求めんとして遠近の輩 黎明より肆前に市をなして賑へり』

と書かれた、人々でにぎわう様子が描かれています。

客が殺到してけがをしたときに備えて、やぐらを設けて医者を待機させていたのだそうですよ。
toshimaya

国立国会図書館デジタルコレクション「江戸名所図会. 巻1」P.48

 


 
参考
豊島屋本店ホームページ(歴史)