お酉さま名物の黄金餅と大頭

20151121-111月の酉の日を、江戸では酉のまちと言ったそうです。
「江戸府内 絵本風俗往来」には『酉のまち売物は熊手、芋頭、粟の餅、熊手の簪なり』とあるのだそうです。
江戸年中行事図聚 (中公文庫 (み27-4))より

この芋頭は、古来より頭の芋(とうのいも)とか大頭とも呼ばれ、人の頭に立つように出世できるといわれ、さらに一つの芋からたくさんの芽が出ることから「子宝に恵まれる」という縁起物だそうです。

酉の市を描いたくさんある錦絵にも大頭を笹のようなものでいくつもつなげて持ち帰る人の姿が多く描かれています。
現在では境内鳥居をくぐりすぐ右手に一軒だけになってしまい、混んでいる時はお参りをした後に戻ってくることができにくい場所で、いつも素通りしていましたが、今年はそれほど混雑していない時間帯に行くことができたので、買い求めてきました。
中くらいの大きさのものを買ってきたのですが・・・大きい!!
神社でいただいてきた20センチくらいの熊手が華奢に見える・・・。
20151121-2

 

20151121-3もう一つの名物の黄金餅
今まで売られていなかったのですが、今年はその黄金餅が現代風になって甦っていました。

昔の黄金餅は、餅米に粟を混ぜ合わせた黄色のお持ちで、この黄色が金色の小判によく似ていたことから、金持ちになるように、との縁起で人気だったのだとか。

現在の黄金餅は、お米の粉、粟で作った種を、もち米の最中の皮に詰めた焼き菓子になっていました。

思った以上に、すごくおいしかったです。
20151121

今年も、ちょっとだけ江戸時代に戻れたような気がした酉の市でした。

 


酉の市の書かれている本


江戸年中行事図聚 (中公文庫 (み27-4))


江戸の風物詩と暮らし大図鑑 (洋泉社MOOK)

 


参考サイト

浅草 鷲神社 酉の市豆知識

浅草田圃酉の寺 「長國寺」